チタンインプラントとジルコニアインプラント。どう違う?
インプラントには、主にチタン製インプラントとジルコニア製インプラントがあります。
チタンインプラントは、世界的に長い臨床実績があり、現在も最も広く用いられている材料です。骨との結合性に優れ、多くの症例で安定した治療成績が報告されています。
一方、ジルコニアインプラントは、白いセラミック系の材料で作られたインプラントです。金属色がないため歯ぐきが薄い部位でも審美的に有利な場合があり、金属をできるだけ使いたくない方、審美性を重視する方から関心を持たれることがあります。
当院では、ジルコニアインプラントとしてZsystems社のセラミックインプラントシステムを採用しています。
ジルコニアインプラントは、近年、表面性状や設計、アバットメントとの接合構造などが改良され、以前より臨床応用の幅が広がってきています。近年のシステマティックレビューでも、ジルコニアインプラントの臨床成績は有望とされる一方で、チタンインプラントほど長期・大規模に研究されているわけではないことも指摘されています。
また、短期的にはチタンとジルコニアで生存率に大きな差がないとする報告もありますが、長期成績や症例数、インプラントのデザイン、表面性状、1ピースか2ピースかといった条件によって結果に差が出る可能性があります。
特に最近は、1ピース型と2ピース型のジルコニアインプラントの違いにも注目が集まっています。1ピース型は構造がシンプルで金属を使用しない利点がありますが、埋入角度や補綴設計の自由度には制限が出ることがあります。2ピース型は補綴設計の自由度が高くなりますが、接合部の構造や長期的な安定性を慎重に考える必要があります。
一方で、ジルコニアインプラントにも注意点があります。
チタンインプラントと比べると、臨床データの蓄積はまだ少なく、症例選択が重要です。骨の状態、歯周病リスク、噛み合わせの力、治療部位、上部構造の設計、メインテナンスのしやすさなどを十分に確認したうえで判断する必要があります。
また、ジルコニアはセラミック材料であるため、強い咬合力が加わる部位や、歯ぎしり・食いしばりが強い方では、慎重な設計が求められます。
「白いから良い」
「金属ではないから必ず安全」
「チタンより優れている」
という単純な判断ではなく、その方のお口の状態に本当に適しているかどうかを見極めることが大切です。
CLAIR DENTAL OFFICEでは、患者さんのご希望だけでなく、CTによる骨の評価、歯周病リスク、噛み合わせ、清掃性、全身状態、治療部位、審美性、長期的な安定性を総合的に判断し、チタンインプラントとジルコニアインプラントのどちらが適しているかをご提案しています。
当院ではジルコニアインプラントも選択肢の一つとして採用していますが、すべての症例に積極的にすすめるものではありません。チタンインプラントの長い臨床実績も重視しながら、患者さんごとの条件に合わせて慎重にご提案しています。
インプラントの材料選びは、単なる素材の好みではありません。
長く安定して使うための治療計画の大切な一部です。